コンビニ受診

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コンビニ受診

2021/06/28

コンビニ受診

月9 ナイト・ドクターを見て感じたこと

 

 

 月9ドラマ「ナイト・ドクター」2話を見ました。

 

 見逃した方は、こちらで見られますよ⬇

 

        フジテレビ公式動画配信サービス【FODプレミアム】

 

 

 コンビニ受診についての描かれていました。

 

 「コンビニ受診」っていうのですね。

 

 15年ぐらい前に、病気の子どもたちを支援するボランティアをしていた頃、医師とも話す機会が多くて、この話を聞いたことがあります。

 

 ちょうど、診療報酬のしくみも変わり、子どもの治療費の無償化がはじまった頃でした。

 

 総合病院に勤務する小児科医からこんな話がありました。

 

 子どもの治療費の無償化で、病院は大変なことになっている。

 

 こんな制度、やめてほしいと訴えておられました。

 

 高齢者の医療費無償化で失敗したのに、また同じ失敗をするのか!

 

 

 

 

 

子どもの治療費の無償化で病院で何が起きたのか?

 

 夜間診療にやってくる子どもが増えたそうです。

 

 昼間は仕事があるからと、夜間に子どもを連れてくる親が増えたそうです。

 

 無料だから、気にせずに子どもを夜間に連れてくる。

 

 無償化になる前はそんなことはなかったそうです。

 

 夜間は、仮眠する時間なのに、朝まで休む間もなく診察し続けなければならない。

 

 そして、一睡もできないまま、昼間の通常診察をしなければならない。

 

 公立の総合病院の場合、勤務医も少ないのでギリギリの人数でまわしている。

 

 夜間に診察にくる子どもが多いうえに、どこかの病院で緊急オペがはいると、救急患者が他の病院へとなり、救急車もたくさんやってくる。

 

 昼間以上の忙しさ、そのまま休むことなく、通常の診察。

 

 こんな状態で、何かミスがあれば訴えられてしまう。

 

 とくに、子どもは成人と違って、症状を言えないので診察も大変だと嘆いておられたことを思い出しました。

 

 15年たっても、変わらないのだなあと思いながら見ていました。

 

 

 

 

 ふつうって何?

 

 

 ドラマでは、夜間に働くのはふつうじゃないと言っていました。

 

 ナイト・ドクターは、ふつうでないと。

 

 コロナ禍で夜間に働く人も減っているのかもしれませんが、夜間に働く人たちって多くなったと思います。

 

 共働きが増えました。

 

 国も共働きするように、いろんな制度を変えてきています。

 

 ドラマを見ていて、たしかに病院は何も変わっていないなあと思いました。

 

 働き方、生き方が多様化しているなかで、病院をはじめ、役所などはそのままです。

 

 小児科の個人病院に、病児保育できるところも増えてきたので、少しは変わりつつあるのかもしれませんが。

 

 夜間だけやっている病院があってもいいのではないかなと思いました。

 

 病院ではないけど、近所に夜間だけやっている美容院がありました。

 

 夜間に美容院ってと思ったけれど、けっこう行っている人がいました。

 

 ふつうじゃないことの方が、実はニーズがあるのかもしれないなと思ったものです。

 

 

 コロナ禍で、ふつうがふつうじゃなくなってきています。

 

 コロナ禍は悪いことばかりではなく、いろんなことが変わるいいきっかけにもなるのかもしれませんね。

 

 

 

 

非常識な親

 

 ドラマの中で、「非常識な親だと思われたくない」と言う母親がいました。

 

 支援員をしていたときに、思ったことがあります。

 

 ふつうじゃないと、親を責めます。

 

 学校の先生、教育委員会、児童相談所、カウンセラー。

 

 毒親だ、そんなんじゃダメ。

 

 ダメなことはいちばんわかっているのは親なんです。

 

 いちばん責めてるのも自分自身なんです。

 

 それなのに、みんなが責めたてるんです。

 

 ますます悪化していきます。

 

 子どもが不登校になったり、いじめにあったり、いじめの加害者になったり。

 

 いろんな問題行動にあらわれます。

 

 それは、実は、子どもに原因があるのではなく、大人に原因があります。

 

 私が、学校や市教委から依頼を受けて訪問すると、みなさん身構えます。

 

 今度は何を言われるんだろう?と。

 

 私は、何も言いません。

 

 何も言わないけれど、問題が解決していきました。

 

 先生たちや教育委員会の指導主事から、魔法でも使っているのか?とよく言われました。

 

 「言う」のではなく、「聞く」ことを徹底しています。

 

 聞いてみると、いちばん責めているのは、親だということにもわかりました。

 

 がんばってるけれど、いっぱいいっぱい。

 

 なのに、みんなから責められる。

 

 自己否定心がどんどん強くなって、状況はますます悪くなっていきます。

 

 

 ドラマの中でも、夜間診療に子どもを連れてきた母親が「非常識な親だと思われている」と申し訳なさそうにやってきていました。

 

 保育園で熱が出ると職場に電話がかかってきて、迎えにいき、職場でも、保育園でも謝って。

 

 それから病院に連れて行こうと思っても、もうどこもやっていない。

 

 保育園にあずけようと思うと、「風邪だという証明」が必要。

 

 その証明をもらうために、夜間診療へ。

 

 いろんなことが面倒で、症状も話さずに証明書をもらうために病院へ。

 

 医師もまた、こんな大したことない症状で連れてきて・・・と思っているから、大事なことを見落として、という内容でした。

 

 ドラマでは、共働き夫婦でしたが、母子家庭や父子家庭など、さまざまです。

 

 

 私も、ふつうでないことをいろんな人から言われてきたので、この「ふつう」って何だ?と思いながら生きてきました。

 

 つくりあげられてきた「ふつう」に苦しんでいる人って、多いと思います。

 

 

 これから世の中が大きく変わります。

 

 大河ドラマ「青天を衝け」では、幕末から明治維新と世の中のしくみが変わる時代が描かれています。

 

 常識で生きて、「ふつう」を求めていたら取り残されてしまう時代。

 

 日本の資本主義のしくみを作った渋沢栄一さんのドラマをやっているときに、資本主義のしくみの終わりが近づいているのかもしれないなって思いながら見ています。

 

 

 「ふつう」という呪縛から解放されれば、もっと生きやすくなりますね。